2010年4月28日水曜日

印紙税というのは、契約書や領収書などに課税される税金で、20種類の文書が課税対象となります。


契約書の中の個々の事項に仮に一つでも課税物件表に掲げる課税事項となるものが含まれていれば、その文書は課税文書となります。また、文書の形式的な記載文言によることなく、その記載文言の実質的な意義に基づいて判断します。ですから、たとえば売掛金の請求書に「了」「済」などと表示してあり、その表示が売掛金を領収したということの当事者間の了解事項なのであれば、その文書は、売上代金の受領書に該当します。ただし、記載金額と契約期間については、その文書に記載されているもののみに基づいて判断されます。


なお、仮契約書や仮領収書であっても、課税事項を証明するものは課税文書です。

契約を更改した場合には、新たに成立する債務の内容に従って課税文書に該当するかどうかを判断します。契約の内容を変更した場合には、一定の重要事項を変更するものだけが課税されます。


1つの契約について、契約書を何通も作成する場合がありますが、この場合には、その全部に収入印紙を貼らなければいけません。 写し、副本、謄本であっても、契約の成立等を証明するものは課税文書に該当するから注意してください。つまり、ひとつの契約について同一の契約書が2通作成される場合であっても、それぞれの文書が課税文書となります。

実際には、写し、副本、謄本などと表示される場合がありますが、このような場合でも、①契約当事者の署名・押印があるもの、②製本や原本などと相違ないことの当事者の証明があるもの、③写し、副本、謄本であることの契約当事者の証明のあるものは、契約書に該当します。

なお、契約書をコピーしたもので、上記のような署名、押印又は証明がないものは、契約書にはなりません。また、契約当事者以外の者(監督官庁など)に提出することが明らかなものは、課税文書に該当しません。

申込書、注文書は、一般的には課税文書ではありませんが、約款や規約などに基づく申込みの場合は、課税文書となります。

印紙税の納税義務は課税文書を作成した時に生じ、課税文書の作成者が、その作成した課税文書について印紙税を収める義務があります。課税文書の作成とは、課税文書の単なる調製ではなく、用紙などに課税事項を記載し、これをその文書の目的に従って行使することをいいます。また、課税文書の作成者は、原則として、その文書に記載された作成名義人です。


印紙税の納付方法は、収入印紙の貼り付けによる納付が原則です。


印紙税のかかる文書の作成者が印紙税を納付しなかったときは、仮に印紙税がかかることを知らなかったり、収入印紙をはり忘れた場合であっても、納付しなかった印紙税の額の3倍(収入印紙をはっていないことを自主的に申し出たときは 1.1倍)の過怠税が課税されます。また、文書に貼った収入印紙に所定の方法で消印をしなかったときには、その消印しなかった収入印紙の金額と同額の過怠税が課税されます(過怠税は、その全額が法人税の損金や所得税の必要経費に算入されません。ご注意ください。 )。



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