2012年7月16日月曜日

79

部長は御年79歳なのですが、黒々とご立派な御髪でございます。いつぞや部員でこっそりと、「あれは男性用ウィッグではなかろうか」などと噂しあったこともございましたが、結局、あれは正真正銘の自毛であることが後日判明しんました。拍手~!!♪(パチパチパチ)♪
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今日、ポストにエステの広告が入ってたのよ。「脱毛500本!体験キャンペーン」だって!やっぱ女って「キャンペーン」って響きに弱いわよね。敵もいいとこついてくるわ!脱毛も自分で行うとお肌をいためるじゃない。それが心配なのよねー。クリームとかもあるんだけど、クリームそのものがお肌にいいのか?悪いのか?やっぱ業務用みたいなのを使用した方がいいのかなあ?今度暇を見つけてネットの口コミサイトで見てみようかしら!エステ関係ってけっこう載ってるのよね。
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さあてと、たまにはオーガニックな食事でもしようかな。 少し続けて食べていると、体調が違うような気がするのよねえ。 でもオーガニックな食事って何があるんだろ?代表的なところでいうと玄米? ああそういえば最近スーパーでもよく見るもんねえ。身体にいいのかなあ? あとオーガニックなものといえば、無農薬野菜とか?これも最近よく見るのよね。でもちょっと高いんだ。コレが。 そうそう、高いからあんまり続かなかったんだ。健康になるのもお金いるのね(泣)
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今日は眠いなぁ。最近寝不足続いてるからな。寝不足には、快眠枕。最近通販で買ったこの低反発枕。私の頭にはピッタリ。低反発なだけで、こんなに良く眠れるなんて。いろいろな枕、買いたくなってきた。

2012年7月14日土曜日

褒められた

交通事故の被害者において症状固定となると、それ以降に発生した傷害による損害の賠償は請求できません。しかし、自賠責保険に対し後遺障害の申請をし、後遺障害等級が認められると、治療中に生じた傷害による損害に併せて後遺障害による損害についての賠償も請求することができます。
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今日は部長に褒められた♪ 褒められたら不思議と、何もかもに、やる気が出るのよね~。 これって健康にもいい気がする…。

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いよいよ完全にデブの仲間入りを果たしそうな勢いの今日この頃です。今一度、ダイエットにチャレンジして人間の尊厳を取り戻すか、はたまた開き直って、今後は「デブ」という人種に生まれ変わって生きていくのか・・・。二者択一を迫られているワケです。ま、ぶっちゃけ、少々デブでも生きてくのには問題ないけど、このセルライトはやっぱり健康とは言えませんね。やっぱ、痩身プロテインだけじゃ無理かな・・・ダイエット。脂肪吸引って、どうなのかな?痛いのだろうか・・・?今度、課長に聞いてみようっと。

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今日、なんかテレビ見てたら、美容整形外科の特集みたいなのしててね^^;すごいね~最近の美容外科^^;;いろんな機械があって、どんなことでもできちゃう感じだね^^;手術とかっていうとなかなか受けるの怖い気がするけど、今日やってたサーマクールっていう機械で、痛くなく顔のリフトアップができるっていうのは受けてみたいなって思った^^☆あとね、エンダモロジーって言ってたかな、これも脂肪吸引とかじゃなく、セルライトとかに作用するマッサージの機械みたいなやつで、部分痩せにかなり効くみたいなんだよね^^うーん、でもやっぱり受けるにはお金がかなりかかっちゃうみたいだよね++;しがない一般OLにはなかなか手が届かないのかも++;エステに行くのも考えてしまうんだから、美容整形なんてもっと無理かな?^^;でも女の人って切ったり、上げたり、吸い取ったり・・++;ほんとすごいよね^^;;顔も体型も全部整形しちゃって、黙って結婚とかしたら詐欺になんないのかなあ^^;もし子供が産まれて、元の自分に似てたらショックだろうね^^;美容整形かあ。。行ってみたいけどねー^^;;

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そうだ。寝る前に流しソウメンしよっと。時間や季節に関係なく流しソウメンできるのは一人暮らしの特権ですね。はぁ~~、ソウメン大好きです。


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交通事故において、追突された側に怪我人がいない場合、物損事故として処理されます。物損事故の場合、自賠責、対人賠償保険は使えませんからご注意ください。物損事故の慰謝料・自動車の修理費用を含めた交通事故 損害賠償については、基本的には示談交渉、すなわち当事者の合意で決まります。
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腰痛のせい

交通事故の被害者において症状固定となると、それ以降に発生した傷害による損害の賠償は請求できません。しかし、自賠責保険に対し後遺障害の申請をし、後遺障害等級が認められると、治療中に生じた傷害による損害に併せて後遺障害による損害についての賠償も請求することができます。
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こんばんはー^^☆今日はお仕事お休みでした^^v♪なので、弥生と買い物に行ってきました~^^vめちゃめちゃかわいいワンピースを買ってしまった^^;ちょっと若作り?^^;;vやっぱ買い物は一番のストレス解消かもー?!^^;

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腰痛が軽くきちゃったみたい。今日の疲れは、腰痛のせいもあるのかなあ? 身体の不調から腰痛がくるのか、腰痛だから身体の調子が悪いのか?どっちなんだかよくわかんない。 ともかくなんだか今日は腰が痛いのよね~。 腰痛といえば、おすうもうさんの座り方というか、しゃがみ方がいいんだって。 土俵でするあの格好で、一分ぐらいじっとしてると腰痛が少しよくなるって。 でも、女の子は外ではできないわね~。やっぱしあの格好はまずいっしょ。

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マニキュアでは対処できないさかむけ。そして、弱いつめ。カルジェルとかジェルネイルもいいかなと検討中。うん、でも、カルジェルもジェルネイルの出費を考えると、自作のキットでもいいかなーなんて思えてきた。最近、ネットで、カルジェルキットなるものもたくさんでてるので、とっても便利だなぁとつくづく思う。でも、私にできるだろうか…あのカルジェルが。いや、キラキラがないとできるかな。

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じゃ、今日も、おじさまたちの相手をしないといけないので、接待要員なわたくしは、そろそろ出勤しようかなとも思います。じゃ、みなさま、本日もよい一日を


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2012年6月10日日曜日

交通事故

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事故前の状況としては、痴呆が深刻な状態であったが、高齢の割に活力があり、積極的に散歩や余暇活動を楽しむなどし、事故後ではあるが術前に判断された心不全の状態としても重度〈1〉で手術に耐えられないほど深刻な状況ではなかった(上記(1)ア(ウ)c、(1)ウ(ア)a(b)、同b)。しかしながら、原告らの申告によっても亡花子はこれまでに肺炎で入院したことが数回あり(乙三・五五頁)、平成一三年一二月ころからは、高齢なりにふらつきや嘔吐、食欲不振も見られ、心不全に由来する気分の悪さや不整脈などの加齢及び基礎疾患に起因する衰えの徴候めいたものも見られたものである。
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そして、本件事故直後の経過を見ると、本件事故後若干の気分の悪さは見られたものの、手術にも耐え、それほど全身状態が悪化した形跡も見られず(上記(1)ウ(ア)d)、翌日には意識状態も回復し、六日後には車椅子への移乗が可能となり、その後、立位保持についても可能となり(上記同ウ(イ)c)、歩行は、足が思うように出ないとの報告がある一方で(上記同ウ(イ)d)、二週間後(同年五月一日)にはトイレ歩行をしており、一か月後(同月一六日)には徘徊が見られるなど、事実上可能な状態まで回復したものである。
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交通事故

交通事故の被害者において症状固定となると、それ以降に発生した傷害による損害の賠償は請求できません。しかし、自賠責保険に対し後遺障害の申請をし、後遺障害等級が認められると、治療中に生じた傷害による損害に併せて後遺障害による損害についての賠償も請求することができます。
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事故による手術入院終了後一か月間は、以前のようにリハビリ体操や余暇活動に参加する日々に戻った。しかも、その間、退院時及びその後に若干の痛みの訴えがあったものの、歩行を禁止されても自力歩行を頻繁にし、二回にわたり痛みの訴えがあったものの、それほど頻繁な訴えもないまま推移していたもので(上記同エ(ア)、同(イ))、同年六月一八日に発熱のため吹田市民病院で外来受診した際も、受傷部位の痛みの訴えはなく、受傷による治療はこの段階で中止とさえされたものであった(上記同エ(イ)b)。ところが、六月下旬ころから、発熱が度重なり、食欲も低下傾向となったが、相変わらず自力歩行は保たれており、トイレや廊下に一人で徘徊するなどしていたもの(上記エ(イ)c)で、発熱や痛みのため体力低下したという形跡も見当たらない。
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交通事故において、追突された側に怪我人がいない場合、物損事故として処理されます。物損事故の場合、自賠責、対人賠償保険は使えませんからご注意ください。物損事故の慰謝料・自動車の修理費用を含めた交通事故 損害賠償については、基本的には示談交渉、すなわち当事者の合意で決まります。
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2011年3月20日日曜日

不当な解雇(リストラ)の裁判例

今回は、不当解雇(リストラ)について判断している裁判例を紹介します(つづき)。 

ウ 再雇用拒否理由2について
(ア)証拠(略)及び弁論の全趣旨によれば、次の事実が認められる。
 原告は、編集局第1編集部員であったが、本件懲戒処分による出勤停止期間が明けた平成18年9月6日、同日付けの辞令によって、被告から編集局長付編集員を命じられたため、F編集局長の直属の部下となった。しかし、原告の席位置は、従前と変わらず、第1及び第2編集部合同の部屋内にあった。
 平成19年8月当時、被告の編集局は、第1ないし第5編集部及び編集総務部から構成され、各部共に被告の入居する建物3階に所在していた。原告の席位置は、従前のまま、第1及び第2編集部合同の部屋内にあった。被告は、同月9日、編集局臨時全体会議において、次期の人事異動に併せて、編集局内の各編集部の垣根を低くし、意見交換を活発化させ企画力を強化することなどを企図して、同年9月28日付けで、第1及び第2編集部合同の部屋に新たに第3編集部を同居させることなどを中心とする新たな部屋の配置に伴う職員の席の移動を実施することを決定した(以下「本件席移動」という。なお、同月14日、本件席移動の日程は同年10月31日に延期された。)。本件席移動によって、原告の席は、第1及び第2編集部合同の部屋から編集総務部の部屋に移動することが予定されていた。そこで、被告は、同月6日及び7日、原告に対し、本件席移動の趣旨を説明して原告の了承を求めたものの、原告は、間もなく、自らの人事異動があったわけでもないし、手持ちの業務にも支障を来すとの理由で、本件席移動には直ちに応じられないとの意向を示した。そのような中、同年10月31日、本件部屋移動が実施され、その際、編集総務部内には、原告席が空席のまま確保された。原告は、同日、第1及び第2編集部合同の部屋の自らの席に荷物を残したまま、当面の業務に必要な資料等のみを持ってコピー室内の作業台に席を移動し、そのまま同場所において執務を続けていたが、このような原告の所為に対して、被告が原告にコピー室からの退去を命ずる業務命令を発したり、何らかの懲戒処分を検討したりした形跡はない(被告は、編集総務部長G名義の平成19年10月16日付け「部屋移動の件」と題する書面(書証略)をもって、本件部屋移動を業務命令として命じた旨主張するが、同書面は、その記載内容から、本件部屋移動の段取りについての注意事項を掲載したものにすぎないといえるし、同書面がどのような形で原告に示されたのかも明らかでないから、同書面をもって原告に対する本件部屋移動の業務命令と解することはできない。)。
 その後、平成20年7月1日付け人事異動に伴い、編集総務部の原告用に確保された席に他の職員が着くこととなった。そこで、被告は、同年6月5日及び同月9日、原告に対し、上記人事異動に伴う席の移動の必要性を説明してその了解を得るため、改めて原告との打合せの機会を設け、第1及び第2編集部合同の部屋にある原告の荷物の撤去とコピー室の明け渡し、第3編集部の部屋への移動を求めたものの、原告は、これを拒否し、その後、コピー室から編集会議室に荷物を移動し、平成21年3月31日に定年退職するまでの間、同場所において執務した。
(イ)上記(ア)の事実によれば、被告の本件席移動の理由には、一定の合理性が認められるにもかかわらず、原告は、被告による再三にわたる本件席移動に基づく席の移動の依頼に応じず、自らの執務の都合ばかりを主張してこれに従わなかったことが認められ、これを原告の協調性又は規律性の欠如の現れの一端と評価することも可能である。反面、被告も、本件席移動に関して、原告に対し、一貫して、被告の方針に理解を求めつつ任意の席移動を求める態度に終始するばかりで、席の移動を命ずる業務命令を発したり、本件席移動の拒否を理由に原告の懲戒処分を検討したりした形跡もなく,長期間にわたって問題を放置したことが認められる。被告のかかる態度に徴すると、その当時、本件席移動に関する問題について、原告は、その重要性をおよそ認識していなかったものと解されるし、翻って、被告においても、さほど重視していなかったものと評価せざるを得ない。
 上記判示の事情にかんがみれば、再雇用拒否理由2の事実をもってしても、原告には、職務上備えるべき身体的・技術的能力を減殺するほどの協調性又は規律性の欠如等は認められず、再雇用就業規則3条(2)所定の「能力」がないと認めることはできない。 
(3)以上によれば、本件再雇用拒否は、原告が再雇用就業規則3条所定の要件を満たすにもかかわらず、何らの客観的・合理的理由もなくなされたものであって、解雇権濫用法理の趣旨に照らして無効であるというべきである。そうすると、原告は、再雇用就業規則所定の取扱い及び条件に従って、被告との間で、再雇用契約を締結することができる雇用契約上の権利を有するというべきであるから、原告の平成19年7月30日付け再雇用契約の申込みに基づき、原被告間において、平成21年4月1日付けで再雇用契約が成立したものとして取り扱われることになるというべきである。
 したがって、原告が被告に対して、労働契約上の権利を有する地位にあることが認められる。
第4 結論
 よって、原告の本訴請求は理由があるから認容することとし、主文のとおり判決する。
なお、不当解雇(リストラ)についてお悩みの方は、専門家である不当解雇(リストラ)を扱う弁護士に相談してください。また、企業の担当者で、残業代請求についてご相談があれば、顧問弁護士にご確認ください。顧問弁護士を検討中の企業の方は、弁護士によって顧問弁護士料金やサービス内容が異なりますので、よく比較することをお勧めします。そのほか、個人の方で、保険会社との交通事故の示談・慰謝料の交渉オフィスや店舗の敷金返却請求(原状回復義務)多重債務(借金)の返済遺言・相続の問題刑事弁護を要する刑事事件などでお困りの方は、弁護士にご相談ください。

2011年3月13日日曜日

不当解雇(リストラ)

今日は、不当解雇(リストラ)に触れている判例を紹介します(つづき)。 

(2)上記(1)の検討を踏まえて、以下、被告指摘に係る再雇用拒否理由1及び2の各事実をもって、原告には再雇用就業規則3条(2)所定の「能力」が欠如しているといえるか否かについて、検討することとする。 
ア 原告の編集者としての身体的・技術的能力について
 原告は、昭和48年7月に被告に就職して平成21年3月31日に定年退職するまでの35年以上の間、一貫して編集局に所属し、社会学、宗教学、教育学、文化人類学等の社会科学・人文科学の分野の学術書・教科書又は教養書の編集に携わり、原告が編集を担当して出版された書籍は、200点以上に上っており、その編集者としての職務上の知識や経験は申し分のないことが認められ、原告が当該職務を遂行する上での技術的能力を備えていることは否定できないといえる。加えて、原告は、再雇用希望申請に際し、再雇用就業規則所定の手続に従って、被告に対し、指定医による健康診断書の写しを提出するなどしており、その健康状態等に問題があることをうかがわせるに足りる証拠もないから、原告には、当該職務を遂行する上で備えるべき身体的能力がないともいえない。
イ 再雇用拒否理由1について
(ア)争いのない事実に加えて、証拠(略)及び弁論の全趣旨によれば、次の事実が認められる。
 被告は、平成10年12月以降、継続的刊行物「講座社会学」全16巻(以下「講座社会学」という。)の刊行を開始した。原告は、その当時、講座社会学の編集者を務めていたところ、講座社会学第3巻「村落と地域」(以下「第3巻」という。)の刊行に当たり、平成17年2月10日に開催された販売会議において、その部数、価格及び印税等の設定についての被告の方針に対して不満を表明し、同月24日ころ、著者らから預かった原稿を所持したまま、編集作業を中止してしまった。
 被告は、同年3月から同年4月にかけて、第3巻の監修者、編者兼著者であるD教授(以下「D教授」という。)との間で、同巻の刊行に向けて、その部数、価格及び印税等について協議し、D教授に対する印税を支払わないことなどの了解を得た上で、合意された条件の下での刊行を急ごうとして担当編集者である原告の了解を求めたが、原告は、D教授に対する印税不払の不当性等を訴えて被告の方針に反対し、一向に編集作業を再開しようとせず、膠着状態のまま約1年が経過した。
 被告は、平成18年4月10日、いよいよ原告から第3巻の原稿を引き上げることを決定し、同年6月上旬から同月中旬にかけて、原告に対し、口頭で原稿を被告に引き渡すよう求めた。それにもかかわらず、原告が原稿を引き渡さないため、被告は、同月23日、原告に対し、原稿の引渡しを求める職務命令書を交付したが、従わないため、同月28日ころ、再度、同趣旨の職務命令書を原告宛に郵送したものの、原告からの応答はなかった。被告は、同年7月24日、原告に対し、通告書を示して原稿の引渡しを求めるとともに、引き渡さない場合には、就業規則に基づき処分することを伝えたが、原告は、それでも原稿を引き渡そうとせず、通告書の受取も拒否した。被告は、同日、同通告書を原告宛に郵送したが、原告からの応答はなかった。そのため、被告は、同月27日ころ、原告を懲戒解雇する意思を固め、同月31日、本件組合に意見聴取したところ、本件組合からは、原告に原稿を返還させることを約束するとともに、懲戒解雇処分とすることの撤回を求められた。
 原告は、同年8月1日、D教授に対し、原稿を預けるとともに、被告に返還することを依頼した。被告は、同月2日にD教授から原稿を入手した上、本件組合からは再度原告を懲戒解雇処分とすることの撤回を求められたため、同月22日、原告に対し、反省文を提出することを条件に懲戒解雇処分とすることを減じ、出勤停止7日間及び減給(基本給の10%)3か月の懲戒処分とする(以下「本件懲戒処分」という。)ことを決定した。
 同月28日、原告が反省文を提出したため、被告は、原告に対し、本件懲戒処分をした。原告は、同処分に不満を感じつつも、これを受け入れて本件懲戒処分に服し、同年9月21日には、E専務理事と共にD教授を訪問して一連の騒動について謝罪した。
 そして、第3巻は、平成19年5月に刊行されるに至った。
(イ)上記(ア)の事実によれば、原告は、被告の従業員としての編集者でありながら、第3巻の刊行に際し、その部数、価格及び印税等の設定についての被告の方針に不満を表明し、特にD教授に対する印税不払の方針についてD教授の了解が得られているにもかかわらず、自らの意見に固執してこれに従わないまま、独断で編集作業を中止して原稿を抱え込み、その後も再三にわたる原稿引渡しの業務命令にも直ちには従わなかったため、原告のかかる態度によって第3巻の刊行が遅延したとして、原告については、一時、懲戒解雇処分が検討されるに至ったものの、本件組合の取り成しのほか、原告が、最終的に被告の業務命令に従って原稿を被告に返還するとともに、不満を抱きつつも反省文を被告に差し入れたことによって、懲戒解雇処分の予定が減じられ、本件懲戒処分に止まり、原告がこれに服した経緯が認められる。
 これによると、確かに、原告は、第3巻の刊行に関する被告の方針に従わずに編集作業を勝手に中止し、平成18年6月23日に原稿引渡しの業務命令が発せられるまでの1年余りの間、原稿を抱え込んだ事実が認められるが、反面、〔1〕原告が被告の方針に従わなかった理由が、原告が、被告の編集者として、被告とD教授との関係悪化を懸念するとともに、被告の出版社としての在り方を自分なりに考えた末、被告に対して、D教授に対する印税不払の方針の問題点を指摘し、抵抗を試みたという側面がなかったわけではなく、その理由がおよそ理解できないわけではないこと、〔2〕被告も、上記原稿引渡しの業務命令を発するまでの1年余りの間、原告による原稿の抱え込みを放置し、結果として、第3巻の刊行に向けての対応が遅れたことは否定できず、そのため、原告としても、その当時、一連の問題の重要性を十分に認識していたのか疑問があること、〔3〕原告は、最終的に本件組合の取り成しに応ずる形で被告の業務命令に従って原稿を被告に引渡した上、被告に求められるがまま、反省文を作成して被告に提出したため、懲戒解雇処分を免れ、本件懲戒処分の限度での懲戒処分を受けてこれに服したこと(被告は、原告が当該反省文を真意に基づかずに作成したことをもって、原告が一連の騒動について反省していないと主張するが、上記(ア)の事実経過に照らせば、被告は、本件懲戒処分に当たって、事態を穏便に収拾するために原告に反省文の提出を求めたものであり、その当時、必ずしも原告の真意を問題としていた訳ではないことがうかがわれるし、仮に、原告が真実反省していなかったとしても、原告は、その当時、被告の指示に従って反省文を自ら作成した上、本件懲戒処分に服しているのであるから、それが、直ちに原告の協調性又は規律性等の欠如を裏付けることにはならない。)、〔4〕原告は、入社以来、本件懲戒処分を受けるまで、被告から何らの懲戒処分を受けたことはないし(人証略)、その他、原告には編集者としての職務を遂行する上で支障を来すほどの深刻な服務規律違反があったことを認めるに足りる証拠もないこと等の諸事情にかんがみれば、再雇用拒否理由1の事実をもって、原告には、その職務を遂行する上で備えるべき身体的・技術的能力を減殺する程度の協調性又は規律性の欠如等が認められるということはできず、再雇用就業規則3条(2)所定の「能力」がないということはできないといわなければならない。
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2011年3月9日水曜日

解雇(リストラ)の有効性についての裁判例

今回は、不当解雇(リストラ)について判断している裁判例を紹介します(つづき)。 

(3)争いのない事実及び上記(2)に記載した事実によれば、以下の点を指摘することができる。
 すなわち、法は、継続雇用制度の導入による高年齢者の安定した雇用の確保の促進等を目的とし、事業者が高年齢者の意欲及び能力に応じた雇用の機会の確保等に努めることを規定し、これを受けて、法附則は、事業者が具体的に定年の引上げや継続雇用制度の導入等の必要な措置を講ずることに努めることを規定していることによれば、法は、事業主に対して、高年齢者の安定的な雇用確保のため、65歳までの雇用確保措置の導入等を義務づけているものといえる。また、雇用確保措置の一つとしての継続雇用制度(法9条1項2号)の導入に当たっては、各企業の実情に応じて労使双方の工夫による柔軟な対応が取れるように、労使協定によって、継続雇用制度の対象となる高年齢者に係る基準を定め、当該基準に基づく制度を導入したときは、継続雇用制度の措置を講じたものとみなす(法9条2項)とされており、翻って、かかる労使協定がない場合には、原則として、希望者全員を対象とする制度の導入が求められているものと解される。
 この点、被告と本件組合との間においては、被告における継続雇用制度の制定を巡って労使交渉が重ねられ、上記(2)エ記載の内容の協定書が取り交わされる一方、継続雇用制度の対象となる高年齢者に係る基準を定める労使協定は結ばれていないものの、被告においては、上記のとおりの労使交渉を経て、再雇用の条件等を定めた再雇用就業規則が制定され、同規則の中で再雇用の条件として3条所定の各要件が定められるに至った。そして、同規則の実施後に再雇用の対象となった定年退職者のうち、原告以外に再雇用を拒否された者はいないことがうかがわれる。
 以上のとおり検討した法の趣旨、再雇用就業規則制定の経過及びその運用状況等にかんがみれば、同規則3条所定の要件を満たす定年退職者は、被告との間で、同規則所定の取扱い及び条件に応じた再雇用契約を締結することができる雇用契約上の権利を有するものと解するのが相当であり、同規則3条所定の要件を満たす定年退職者が再雇用を希望したにもかかわらず、同定年退職者に対して再雇用拒否の意思表示をするのは、解雇権濫用法理の類推適用によって無効になるというべきであるから、当該定年退職者と被告との間においては、同定年退職者の再雇用契約の申込みに基づき、再雇用契約が成立したものとして取り扱われることになるというべきである。
2 争点(2)(本件再雇用拒否が労働契約法16条所定の解雇権濫用法理の類推適用によって無効となるか)について
(1)再雇用就業規則3条(2)の「再雇用者として通常勤務できる意欲と能力がある者」という要件のうちの「能力」について、原告は、その職務を遂行する上で備えるべき身体的・技術的能力を意味し、協調性や規律性等の情意(勤務態度)を強調すべきではないと主張するのに対し、被告は、身体的・技術的能力にとどまらず、協調性や規律性等の情意(勤務態度)も重要な要素として含まれると主張するので、まずは、「能力」要件の解釈の在り方について検討しておく。
 この点、上記1で検討したとおり、再雇用就業規則は、法の趣旨を踏まえて、定年退職者の意欲及び能力に応じた雇用の機会の確保のために、被告と本件組合との労使交渉の末に制定されたものであり、被告を定年退職した職員のうち再雇用を希望する者について、その取扱い、条件等を定めるものである(1条)ところ、同規則3条は、再雇用の条件として、(1)において当該定年退職者の健康状態及び同規則が別に定める勤務日、勤務時間(8条)の下での勤務が可能であることを掲げ、(2)において通常勤務できる意欲と能力があることを掲げている。かかる再雇用就業規則の制定経過、目的、再雇用の条件を定めた同規則3条(1)、(2)の各要件の配置及び文言からすると、定年退職者が再雇用されるための条件としての「能力」とは、その中心的なものとして、当該職務を遂行する上で備えるべき身体的・技術的能力を意味するものと解するのが相当であるが、当該職務そのものの内容や性質のほか、職務遂行に必要な環境及び人間関係等に照らして、当該職務を遂行する上で備えるべき身体的・技術的能力を計るに当たって、協調性や規律性等の情意(勤務態度)についてもその要素として考慮しなければならない場合もあるものと解される。
 これを本件について見るに、再雇用就業規則6条は、「再雇用者の職場および職務は、本人の希望・知識・技能・経歴・適性・健康状況ならびに出版界の要因・雇用状況等を総合的に判断して、出版会が決定する」と規定しているところ、原告は、被告に在職中、一貫して編集局に所属し、社会学、宗教学、教育学、文化人類学等の社会科学・人文科学の分野の学術書・教科書又は教養書の編集に携わっていたのであるから、特段の事情のない限り、再雇用後も同様に編集者としての職務を担当する可能性が高いといえる。そして、被告のような出版社の従業員としての編集者の職務については、その性質上、編集対象の書籍等の執筆者等との連絡・調整に加えて、当該出版社の出版方針等を理解し、上司の指示命令に従った編集作業を遂行することが求められるのは公知の事実であるから、その職務遂行上備えるべき身体的・技術的能力を測るに当たっては、再雇用就業規則3条(2)所定の「能力」の解釈の中で、協調性や規律性等の情意(勤務態度)についても,一定程度考慮せざるを得ないものと解される。具体的には、上記身体的・技術的能力を減殺する程度の協調性又は規律性の欠如等が認められるか否かという枠組みのなかで検討すべきである。
なお、不当解雇(リストラ)についてお悩みの方は、専門家である不当解雇(リストラ)を扱う弁護士に相談してください。また、企業の担当者で、残業代請求についてご相談があれば、顧問弁護士にご確認ください。顧問弁護士を検討中の企業の方は、弁護士によって顧問弁護士料金やサービス内容が異なりますので、よく比較することをお勧めします。そのほか、個人の方で、保険会社との交通事故の示談・慰謝料の交渉オフィスや店舗の敷金返却請求(原状回復義務)多重債務(借金)の返済遺言・相続の問題刑事弁護を要する刑事事件などでお困りの方は、弁護士にご相談ください。

2011年3月4日金曜日

不当解雇(リストラ)

今回は、不当解雇(リストラ)について判断している裁判例を紹介します(つづき)。 

第3 争点に対する判断
1 争点(1)(再雇用就業規則3条の趣旨)について
(1)再雇用就業規則3条は、定年退職者の再雇用の条件として、被告は、定年退職者で再雇用を希望することを5条(再雇用の手続)の定めにより事前に申し出た者で、健康状態が良好で、8条(勤務日、勤務時間)に定める勤務が可能な者、再雇用者として通常勤務ができる意欲と能力がある者に該当する者を再雇用すると規定しているところ、以下、再雇用就業規則3条の解釈として、被告が同条所定の要件を満たす定年退職者の再雇用を拒否することが許されるか否か(再雇用拒否の意思表示についての解雇権濫用法理の類推適用の可否)について、検討する。
(2)争いのない事実に加え、証拠(略)及び弁論の全趣旨によれば、以下の事実が認められる。
ア 法1条は、「この法律は、定年の引上げ、継続雇用制度の導入等による高年齢者の安定した雇用の確保の促進、高年齢者等の再就職の促進、定年退職者その他の高年齢退職者に対する就業の機会の確保等の措置を総合的に講じ、もって高年齢者等の職業の安定その他福祉の増進を図る」ことなどを目的とする旨規定し、法3条1項は、法の基本的理念として、「高年齢者等は、その職業生活の全期間を通じて、その意欲及び能力に応じ、雇用の機会その他の多様な就業の機会が確保され、職業生活の充実が図られるように配慮されるものとする」と規定し、以上の目的及び基本的理念を受け、法4条1項は、事業主の責務として、「事業主は、その雇用する高年齢者について職業能力の開発及び向上並びに作業施設の改善その他の諸条件の整備を行い、並びにその雇用する高年齢者等について再就職の援助等を行うことにより、その意欲及び能力に応じてその者のための雇用の機会の確保等が図られるよう努めるものとする」と規定している。
イ 法附則4条2項は、「定年(65歳未満のものに限る。)の定めをしている事業主は、平成25年3月31日までの間、当該定年の引上げ、継続雇用制度の導入又は改善その他の当該高年齢者の65歳までの安定した雇用の確保を図るために必要な措置を講ずるように努めなければならない」と規定している。
ウ 被告は、法附則4条2項及び5条の趣旨を踏まえ、財団法人東京大学出版会労働組合(以下「本件組合」という。)との間で、再雇用就業規則の制定に向けて協議することとし、平成18年2月23日、原則として労使の合意を前提とした制度作りをすること、資金(人的資源)バランスへの考慮と新人採用の継続に留意しつつも、経営側が「再雇用」の努力をすることなどを確認した。その際、再雇用の条件としては、原則として、希望する者を再雇用することとし、健康状態に関する医師の診断書は必要とされたものの、その他の条件の採否については、いったん留保された。
エ その後、被告は、同年4月5日、本件組合に対し、「再雇用契約社員就業規則(案)」を提示し、再雇用就業規則の運用に当たっては、再雇用を希望する定年退職者を排除的に運用しないとの説明をした。そこで、本件組合は、内部で対応を検討したが、案文が法の趣旨を損なうものではないことや被告の上記説明を好意的にとらえ、被告提示の案文を中心に検討することとし、同年6月26日、被告との間で、再雇用就業規則施行に当たって、〔1〕再雇用就業規則に基づいて実際の運用例が発生した場合、被告は本件組合の求めに応じて、希望状況・就労条件などの情報を提供する、〔2〕再雇用就業規則を運用するに当たって、被告・本件組合それぞれに問題が発生した場合には、双方で協議するとの内容の協定書(書証略)を取り交わしたものの、労使協定によって、継続雇用制度の対象となる高年齢者に係る基準は定められなかった。
オ 再雇用就業規則は、上記ウ及びエ記載の被告と本件組合との労使交渉を経て制定され、同年4月1日にさかのぼって実施されるに至った。
カ 再雇用就業規則の実施後に再雇用の対象となった定年退職者のうち、原告以外に再雇用を拒否された者はいないことがうかがわれる。

なお、不当解雇(リストラ)についてお困りの方は、専門家に相談すべきですので、不当解雇(リストラ)について弁護士に相談してください。また、企業の方で、残業代請求などについてご不明な点があれば、顧問弁護士にご相談ください。顧問弁護士を検討中の企業の方は、弁護士によって顧問弁護士費用やサービス内容が異なりますので、よく比較することをお勧めします。その他にも、個人の方で、交通事故の示談交渉刑事弁護を要する刑事事件借金の返済敷金返却や原状回復(事務所、オフィス、店舗)遺言や相続などでお困りの方は、弁護士にご相談ください。

2011年3月3日木曜日

解雇(リストラ)の判例

今回は、不当解雇(リストラ)について判断している裁判例を紹介します(つづき)。 

(2)本件再雇用拒否が労働契約法16条所定の解雇権濫用法理の類推適用によって無効となるか。
(原告の主張)
ア 再雇用就業規則3条(2)所定の「能力」とは、その職務を遂行する上で備えるべき身体的・技術的能力を意味し、協調性や規律性等の情意(勤務態度)を重視すべきではない。
イ 原告は、被告に就職して以来、長年にわたって多数の書籍の編集を担当しており、職務を遂行する上での身体的・技術的能力、すなわち「通常勤務ができる意欲と能力がある者」に当たることは明らかであるし、本件再雇用拒否をした平成20年10月以降の事実は、本件再雇用拒否の理由とはなり得ないから、本件再雇用拒否は、解雇権濫用法理の類推適用によって無効であり、原被告間には、平成21年4月1日付けで再雇用契約が成立している。
(被告の主張)
ア 職員の服務規律として、就業規則11条は、被告の方針、組織、規律を尊重する旨(誠実義務)、同12条は、上長の指示に従い、職場の秩序を保持する旨(職場規律)をそれぞれ規定し、再雇用就業規則もこれらを準用する旨規定しているのであるから、同規則3条(2)の「能力」とは、身体的・技術的能力にとどまらず、協調性や規律性等の情意(勤務態度)も重要な要素として含むものである。
イ 以下のとおり、原告は、定年退職以前の在職中に重大な服務規律違反があり、その後も一向に改善が見られなかったから、協調性や規律性に係る「能力」に欠けており、「通常勤務ができる意欲と能力がある者」には該当せず、本件再雇用拒否は、客観的・合理的理由があり、社会通念上相当であるから、有効である。
(ア)原告は、「講座社会学」と称する継続的刊行物の編集者を務めていたところ、平成17年2月、第3巻の刊行に当たり、部数・価格や印税の設定について被告に異議を述べるとともに、刊行直前に独断で刊行手続を中止し、その進行を求める被告の説得を聞き入れなかったため、被告は、平成18年6月以降、原告に対し、再三にわたり校正刷りを上司に引き渡すように命じたが、原告が一向に従わないため、懲戒解雇の方針を固めるに至ったものの、原告は、その後、被告に対し、校正刷りを引き渡すとともに、反省文を提出したことなどから、被告は、懲戒解雇処分を減じ、同年8月28日、原告に対し、出勤停止7日間、減給3か月の懲戒処分を行うにとどめた。その結果、原告は、当該編集業務の進行を著しく遅延させ、職場秩序を大きく乱すとともに、関係者に迷惑を掛けるなどした。(以下「再雇用拒否理由1」という。)
(イ)被告は、原告を含む編集局の職員に対し、平成19年8月9日、新たな編集局体制について説明し、同年9月28日、部屋の移動を実施する旨を告知した上、同月6日及び同月7日には、原告に対し、第1編集部の部屋から編集総務部の部屋への移動について個別に説明して理解を求めたものの、原告は、部屋の移動を拒否し、同年10月31日、コピー室の作業台を机代わりに使用して執務するなどしたため、被告は、職員の作業に支障を来すとして、原告に対し、再三にわたり編集総務部の部屋への移動を依頼し、平成20年7月には第3編集部の部屋への移動を依頼したが、原告はいずれも無視してコピー室での執務を継続した。その後、原告は、被告に無断で、コピー室から編集会議室に自分の荷物を移動し、平成21年3月31日の退職まで同室を使用して執務を継続するなどした結果、被告の職場秩序を大きく害した。(以下「再雇用拒否理由2」という。)
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2011年3月2日水曜日

不当な解雇(リストラ)の裁判例

今日は、不当解雇(リストラ)に触れている判例を紹介します(つづき)。 

(3)再雇用希望申請書等の提出
 原告は、被告のC総務部長に対し、平成19年7月30日に再雇用希望申請書を提出し(なお、提出日は、再雇用就業規則5条の定める提出期限を徒過しているが、被告は、本件において、提出期限徒過の手続違背を主張していない。)、平成20年5月20日には再雇用希望調査票及び指定医による健康診断書の写しを提出した(以下「本件再雇用申請」という。)。
(4)本件再雇用申請の拒否
 被告は、本件再雇用申請につき、原告に対し、平成20年9月22日、口頭で、原告には、就業規則11条に定める誠実義務及び同12条に定める職場規律に問題があったため、再雇用者として通常勤務できる能力がないと判断した旨を伝えて本件再雇用申請を拒否し、同年10月15日、被告が原告を再雇用しないとの結論に達した旨の記載のある「通知書」と題する書面(書証略)を交付した(以下「本件再雇用拒否」という。)。
(5)原告の定年退職
 原告は、平成20年(月日略)に満60歳に達し、平成21年3月31日に被告を定年退職した。なお、原告は、定年退職に当たって、退職金として2462万6371円(税引後)の支給を受けた。
3 争点及び当事者の主張
(1)再雇用就業規則3条の趣旨
(原告の主張)
 再雇用就業規則3条は、継続雇用制度等の高年齢者雇用確保措置を事業主に義務付けた法の趣旨に照らして解釈・適用すべきところ、同条は、定年退職者で再雇用を希望する者は原則として再雇用するものとし、例外的に「通常勤務ができる意欲と能力がある者」でないことが明らかになった場合等に限り再雇用しない旨規定したものと解すべきであるから、本件再雇用拒否には、解雇権濫用法理(労働契約法16条)が類推適用される。
(被告の主張)
 再雇用就業規則は、被告を定年退職した職員のうち再雇用を希望する者について、その取扱い、条件等を定めたものであり、同規則3条は、定年退職者の再雇用の基準を定め、その再雇用を無条件には保障していない上、東京大学出版会労働組合(以下「本件組合」という。)と被告との間の労使交渉の経緯においても、定年退職者の再雇用が無条件に保障されるものではないことが前提とされていたのであるから、解雇とは性質の異なる本件再雇用拒否には、解雇権濫用法理の類推適用はない。
なお、不当解雇(リストラ)について専門家に相談したい方は、不当解雇(リストラ)に強い弁護士に相談してください。また、企業の担当者で、従業員の解雇についてご相談があれば、顧問弁護士にご確認ください。そのほか、個人の方で、保険会社との交通事故の示談交渉刑事弁護を要する刑事事件多重債務(借金)の返済遺言・相続の問題オフィスや店舗の敷金返却(原状回復)などでお困りの方は、弁護士にご相談ください。

2011年3月1日火曜日

不当解雇(リストラ)

今回は、不当解雇(リストラ)に関する判例を紹介します。 

第2 事案の概要
1 本件は、被告を定年退職した原告が、被告に対し、再雇用を希望する旨の意思表示をしたところ、被告がこれを拒否したが、同拒否の意思表示は正当な理由を欠き無効であるから、被告との間で平成21年4月1日付けで再雇用契約が締結されていると主張して、労働契約上の権利を有する地位にあることの確認を求める事案である。
2 争いのない事実
(1)当事者
 被告は、東京大学における研究とその成果の発表を助成し、又は民間出版社において採算上刊行を引受けないような優良学術図書の刊行、頒布、内外学術資料の蒐集及び学術講演等の事業を行い学術の振興文化の向上に寄与することを目的とする財団法人である。
 原告(昭和23年(月日略)生)は、昭和48年7月に被告との間で雇用契約を締結して被告に就職し、平成21年3月31日に被告を定年退職した者であり、被告に在職中、一貫して編集局に所属し、社会学、宗教学、教育学、文化人類学等の社会科学・人文科学の分野の学術書・教科書又は教養書の編集に携わった。
(2)法令等の定め
ア 高年齢者等の雇用の安定等に関する法律(以下、単に「法」という。)9条1項は、定年(65歳未満のものに限る。以下この条において同じ。)の定めをしている事業主は、その雇用する高年齢者の65歳までの安定した雇用を確保するため、当該定年の引上げ(1号)、継続雇用制度(現に雇用している高年齢者が希望するときは、当該高年齢者をその定年後も引き続いて雇用する制度をいう。)の導入(2号)、当該定年の定めの廃止(3号。1号ないし3号に掲げる措置を「高年齢者雇用確保措置」という。)のいずれかを講じなければならないと規定している。また、同2項は、事業主は、当該事業所に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、継続雇用制度の対象となる高年齢者に係る基準を定め、当該基準に基づく制度を導入したときは、前項2号に掲げる措置を講じたものとすると規定しているほか、法附則5条1項は、高年齢者雇用確保措置を講ずるための準備期間として、一定の期間、事業主は、9条2項に規定する協定をするため努力したにもかかわらず協議が調わないときは、就業規則その他これに準ずるものにより、継続雇用制度の対象となる高年齢者に係る基準を定め、当該基準に基づく制度を導入することができ、この場合には、当該基準に基づく制度を導入した事業主は、9条1項2号に掲げる措置を講じたものとみなすと規定している。
イ 被告の就業規則(平成18年4月1日実施。以下「就業規則」という。)は、職員が定年に達したときは、定年に達した日をもって退職とする(33条(1))、職員の定年は、満60歳の誕生日を経過して、なおかつ3月31日か9月30日のいずれか近い日とする(35条1項)、定年退職者の再雇用については、法9条2項に基づく労使協定により、「再雇用契約社員就業規則」を別に定めると規定している。
ウ 就業規則35条2項に基づき定められた再雇用契約社員就業規則(平成18年4月1日実施。以下「再雇用就業規則」という。)は、被告を定年退職した職員のうち再雇用を希望する者について、その取扱い、条件等を定めるものである(1条)と規定した上、被告は、定年退職者で再雇用を希望することを5条の定めにより事前に申し出た者で、(1)健康状態が良好で、8条(勤務日、勤務時間)に定める勤務が可能な者、(2)再雇用者として通常勤務ができる意欲と能力がある者を再雇用する(3条)、再雇用者は契約社員とする(4条1項)、再雇用の契約期間は1か年とし、原則として所定の年齢に達するまで更新することができる(同2項)、再雇用を希望する者は、退職予定日の2か年前までに、総務部長宛に「再雇用希望申請書」を提出するものとし、(1)面接、(2)被告が指定した健康診断結果の提出手続を定年退職日の6か月前までに完了しなければならない(5条)と規定している。
なお、不当解雇(リストラ)について専門家に相談したい方は、不当解雇(リストラ)に強い弁護士に相談してください。また、企業の担当者で、従業員の解雇についてご相談があれば、顧問弁護士にご確認ください。そのほか、個人の方で、保険会社との交通事故の示談交渉刑事弁護を要する刑事事件多重債務(借金)の返済遺言・相続の問題オフィスや店舗の敷金返却(原状回復)などでお困りの方は、弁護士にご相談ください。

2011年2月3日木曜日

顧問弁護士がかかわりうる判例

今日は、企業の顧問弁護士の業務に係る企業法務の判例を紹介します。

1 本件は,上告人との間で売買契約を締結して土地を買い受けた被上告人が,上告人に対し,上記土地の土壌に,それが土壌に含まれることに起因して人の健康に係る被害を生ずるおそれがあるものとして上記売買契約締結後に法令に基づく規制の対象となったふっ素が基準値を超えて含まれていたことから,このことが民法570条にいう瑕疵に当たると主張して,瑕疵担保による損害賠償を求める事案である。
2 原審の適法に確定した事実関係の概要等は,次のとおりである。
(1)被上告人は,平成3年3月15日、上告人から,第1審判決別紙物件目録記載の土地(以下「本件土地」という。)を買受けた(以下,この契約を「本件売買契約」という。)。本件土地の土壌には,本件売買契約締結当時からふっ素が含まれていたが,その当時,土壌に含まれるふっ素については,法令に基づく規制の対象となっていなかったし,取引観念上も,ふっ素が土壌に含まれることに起因して人の健康に係る被害を生ずるおそれがあるとは認識されておらず,被上告人の担当者もそのような認識を有していなかった。
(2)平成13年3月28日,環境基本法16条1項に基づき,人の健康を保護し,及び生活環境を保全する上で維持されることが望ましい基準として定められた平成3年8月環境庁告示第46号(土壌の汚染に係る環境基準について)の改正により,土壌に含まれるふっ素についての環境基準が新たに告示された。 
 平成15年2月15日,土壌汚染対策法及び土壌汚染対策法施行令が施行された。同法2条1項は,「特定有害物質」とは,鉛,砒素,トリクロロエチレンその他の物質(放射性物質を除く。)であって,それが土壌に含まれることに起因して人の健康に係る被害を生ずるおそれがあるものとして政令で定めるものをいう旨を定めるところ,ふっ素及びその化合物は,同令1条21号において,同法2条1項に規定する特定有害物質と定められ,上記特定有害物質については,同法(平成21年法律第23号による改正前のもの)5条1項所定の環境省令で定める基準として,土壌汚染対策法施行規則(平成22年環境省令第1号による改正前のもの)18条,別表第2及び第3において,土壌に水を加えた場合に溶出する量に関する基準値(以下「溶出量基準値」という。)及び土壌に含まれる量に関する基準値(以下「含有量基準値」という。)が定められた。そして,土壌汚染対策法の施行に伴い,都民の健康と安全を確保する環境に関する条例(平成12年東京都条例第215号)115条2項に基づき,汚染土壌処理基準として定められた都民の健康と安全を確保する環境に関する条例施行規則(平成13年東京都規則第34号)56条及び別表第12が改正され,同条例2条12号に規定された有害物質であるふっ素及びその化合物に係る汚染土壌処理基準として上記と同一の溶出量基準値及び含有量基準値が定められた。
(3)本件土地につき,上記条例117条2項に基づく土壌の汚染状況の調査が行われた結果,平成17年11月2日ころ,その土壌に上記の溶出量基準値及び含有量基準値のいずれをも超えるふっ素が含まれていることが判明した。
3 原審は,上記事実関係の下において,次のとおり判断して,被上告人の請求を一部認容した。
 居住その他の土地の通常の利用を目的として締結される売買契約の目的物である土地の土壌に,人の健康を損なう危険のある有害物質が上記の危険がないと認められる限度を超えて含まれていないことは,上記土地が通常備えるべき品質,性能に当たるというべきであるから,売買契約の目的物である土地の土壌に含まれていた物質が,売買契約締結当時の取引観念上は有害であると認識されていなかったが,その後,有害であると社会的に認識されたため,新たに法令に基づく規制の対象となった場合であっても,当該物質が上記の限度を超えて上記土地の土壌に含まれていたことは,民法570条にいう瑕疵に当たると解するのが相当である。したがって,本件土地の土壌にふっ素が上記の限度を超えて含まれていたことは,上記瑕疵に当たるというべきである。
4 しかしながら,原審の上記判断は是認することができない。その理由は,次のとおりである。
 売買契約の当事者間において目的物がどのような品質・性能を有することが予定されていたかについては,売買契約締結当時の取引観念をしんしゃくして判断すべきところ,前記事実関係によれば,本件売買契約締結当時,取引観念上,ふっ素が土壌に含まれることに起因して人の健康に係る被害を生ずるおそれがあるとは認識されておらず,被上告人の担当者もそのような認識を有していなかったのであり,ふっ素が,それが土壌に含まれることに起因して人の健康に係る被害を生ずるおそれがあるなどの有害物質として,法令に基づく規制の対象となったのは,本件売買契約締結後であったというのである。そして,本件売買契約の当事者間において,本件土地が備えるべき属性として,その土壌に,ふっ素が含まれていないことや,本件売買契約締結当時に有害性が認識されていたか否かにかかわらず,人の健康に係る被害を生ずるおそれのある一切の物質が含まれていないことが,特に予定されていたとみるべき事情もうかがわれない。そうすると,本件売買契約締結当時の取引観念上,それが土壌に含まれることに起因して人の健康に係る被害を生ずるおそれがあるとは認識されていなかったふっ素について,本件売買契約の当事者間において,それが人の健康を損なう限度を超えて本件土地の土壌に含まれていないことが予定されていたものとみることはできず,本件土地の土壌に溶出量基準値及び含有量基準値のいずれをも超えるふっ素が含まれていたとしても,そのことは,民法570条にいう瑕疵には当たらないというべきである。
5 以上と異なる原審の判断には,判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反がある。論旨は理由があり,原判決中上告人敗訴部分は破棄を免れない。そして,被上告人の請求は理由がなく,これを棄却した第1審判決は正当であるから,被上告人の控訴を棄却すべきである。
第2 上告人の民訴法260条2項の裁判を求める申立てについて
 上告人が上記申立ての理由として主張する事実関係は,別紙「仮執行の原状回復及び損害賠償を命ずる裁判の申立書」(写し)記載のとおりであり,被上告人は,これを争わない。上記事実関係によれば,上告人は,平成20年11月26日,被上告人に対し,原判決に付された仮執行の宣言に基づき4億5962万1587円を給付したものというべきである。そして,原判決中上告人敗訴部分が破棄を免れないことは前記説示のとおりであるから,原判決に付された仮執行の宣言はその効力を失うことになる。そうすると,被上告人に対し,4億5962万1587円及びこれに対する給付の日の翌日である平成20年11月27日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める上告人の申立ては,正当として認容すべきである。
そのほか、個人の方で、刑事弁護事件交通事故の示談交渉解雇残業代の請求借金の返済敷金返還や原状回復(事務所、オフィス、店舗)遺言や相続などでお困りの方は、弁護士にご相談ください。

2010年12月6日月曜日

交通事故(後遺障害逸失利益)についての裁判例

交通事故の裁判例です。交通事故の示談や慰謝料の相談については弁護士にすることをお勧めします。また、企業の従業員による交通事故の処理については、企業の顧問弁護士にご相談ください。後遺障害逸失利益について、証拠(甲二ないし一二、一九ないし二一、原告法定代理人、調査嘱託の結果)及び弁論の全趣旨によれば、本件交通事故による原告の頭部神経症状につき、次の事実を認めることができる。原告は、本件交通事故発生直後に水島第一病院に入院した時点では、外傷性くも膜下出血、脳幹損傷等により意識がなく、高次脳機能については不明であったところ、その後、徐々に意識を回復するにつれて、不穏状態や幼稚な言動が見られた。平成九年一〇月一三日の頭部CT検査では、右前頭部に硬膜下水腫の貯留が認められたが、脳実質内に明らかな病変は認められなかった。そのころの原告は、小学四年生ないし五年生程度の知能と思われる状態であった。原告は、平成九年一〇月三一日に岡山療護センターに転院したところ、その際の頭部CT検査では、やはり右前頭部に硬膜下水腫が認められ、軽度の意識障害及び失見当識があり、本件交通事故以前の記憶は残存していなかったが、入院期間中に次第に意識障害は消失して意識清明となり、これに伴って、意識障害下に存在したものと思われる知能低下も回復した。原告は、平成一〇年一月二〇日の同センター退院時には、意識障害は消失していたが、情緒及び性格面の不安定さが残った。原告は、平成一〇年四月一二日から平成一一年二月一七日まで京都医療少年院に入院し、同院での検査では新田中B式によるIQが六六で、記憶障害が認められ、健忘症状、抑うつ状態のほか、衝動性や自制力低下、幼稚化等の性格変化が認められたが、同院入院中は、規則に基づく療養生活と薬物(気分安定化剤としての抗けいれん剤)療法により興奮状態となることはなく、抑うつ症状によって内的に不安定となることがある程度の状態であった。原告は、平成一一年三月一九日に症状固定となったが、その時点では、頭部神経症状として外傷性くも膜下出血の後の抑うつ状態があるものと診断され、くよくよ悩む、他人が自分の悪口を言っている気がするといった自覚症状があった。原告は、平成一一年四月に後楽館高校に入学したが、原告自身自分で自分の気持ちを抑えることができず、教師に暴力を振るいそうになったこともあって、退学を勧められ、平成一二年一月に同校を自主退学し、その後、種々アルバイトをしているが、勤務先で物覚えが悪いとの指摘を受け、勤務先を転じており、家庭においても、集中力に欠け、感情の起伏が激しい状態にある。右の事実によれば、原告の頭部の神経症状は、本件交通事故直後は重篤なもので、水島第一病院入院中は意識障害とそれに伴う知能の低下が見られたが、岡山療護センター入院中に意識障害が回復するにつれて知能レベルも回復し、同センター退院時には、意識障害は消失して、情緒及び性格面の不安定さが残り、京都医療少年院入院においては、興奮状態となることはなかったが、抑うつ症状は残り、症状固定時においても、抑うつ状態が残っていて、これにより、服することができる労務が相当な程度に制限されるとまでは認められないものの、抑うつ状態により集中力を欠き、情緒が不安定となる点で、等級表一二級一二号の「局部に頑固な神経症状を残すもの」に相当する後遺障害があるものと認められる。証拠(甲二、五ないし九)及び弁論の全趣旨によれば、原告は、本件交通事故により、右の頭部神経症状のほかに、右大腿骨骨折後の右下肢一・五センチメートルの短縮、右下肢痛、右第五指の機能障害(腱側可動域が二分の一以下)、右第四指機能障害、右膝不安定性及び右上肢及び右下肢の創痕の後遺障害が残り、このうち、右下肢短縮の点は「一下肢を一センチメートル以上短縮したもの」として等級表一三級九号に該当し、右第五指の機能障害(腱側可動域が二分の一以下)は「一手のこ指の用を廃したもの」として等級表一四級六号に該当し、その余の後遺障害は等級表の後遺障害には該当しないものと認められるから、本件交通事故による原告の後遺障害は、前記の一二級相当の頭部神経症状に右各後遺障害を併合して全体で等級表一一級に相当するものと認められる。原告は、前記のとおり、本件交通事故当時、一六歳の健康な男子であって、平成九年三月に倉敷市立福田中学校を卒業した後、型枠大工、とび職として働き、一か月二〇万円前後の収入を得ていたことが認められるから、原告は、賃金センサス平成九年産業計・企業規模計・中卒男子労働者全年齢平均年収五一〇万一七〇〇円程度の年収を就労可能期間を通じて得る蓋然性があったものと認められ、右年収額を逸失利益算定の基礎とするのが相当であり、前記後遺障害の程度に鑑み労働能力喪失率を二〇パーセントとし、原告が右のとおり本件交通事故当時既に働いて収入を得ていたことから、症状固定時の原告の年齢である一七歳から六七歳までの五〇年間を労働能力喪失期間とするのが相当であり、五〇年に対応するライプニッツ係数一八・二五五九を乗じて年五分の割合による中間利息を控除すると、原告の後遺障害による逸失利益は、一八六二万七二二五円となる。顧問弁護士にご相談ください。また、個人の方で、交通事故、借金返済残業代請求不当解雇刑事事件などでお困りの方は、弁護士にご相談ください。

2010年8月3日火曜日

顧問弁護士(法律顧問)がよく問い合わせを受けるテーマ:賃金債権の放棄

顧問弁護士(法律顧問)がよく問い合わせを受けるテーマをまとめます。

今日は、賃金債権の放棄についてです。これは、賃金の全額払いの原則との関係で問題となります。

最高裁は、退職にあたって使用者に対して「いなかる請求権も有しない」旨の書面を差し入れた労働者からの退職金請求について、自由な意思による退職金債権の放棄は労基法24条の全額払いの原則に反しないと判断しました。以下は、判決文の引用です。

本件退職金は、就業規則においてその支給条件が予め明確に規定され、被上告会社が当然にその支払義務を負うものというべきであるから、労働基準法一一条の「労働の対償」としての賃金に該当し、したがつて、その支払については、同法二四条一項本文の定めるいわゆる全額払の原則が適用されるものと解するのが相当である。しかし、右全額払の原則の趣旨とするところは、使用者が一方的に賃金を控除することを禁止し、もつて労働者に賃金の全額を確実に受領させ、労働者の経済生活をおびやかすことのないようにしてその保護をはかろうとするものというべきであるから、本件のように、労働者たる上告人が退職に際しみずから賃金に該当する本件退職金債権を放棄する旨の意思表示をした場合に、右全額払の原則が右意思表示の効力を否定する趣旨のものであるとまで解することはできない。もつとも、右全額払の原則の趣旨とするところなどに鑑みれば、右意思表示の効力を肯定するには、それが上告人の自由な意思に基づくものであることが明確でなければならないものと解すべきであるが、原審の確定するところによれば、上告人は、退職前被上告会社の西日本における総責任者の地位にあつたものであり、しかも、被上告会社には、上告人が退職後直ちに被上告会社の一部門と競争関係にある他の会社に就職することが判明しており、さらに、被上告会社は、上告人の在職中における上告人およびその部下の旅費等経費の使用につき書面上つじつまの合わない点から幾多の疑惑をいだいていたので、右疑惑にかかる損害の一部を填補する趣旨で、被上告会社が上告人に対し原判示の書面に署名を求めたところ、これに応じて、上告人が右書面に署名した、というのであり、右認定は、原判決挙示の証拠関係に照らし首肯しうるところ、右事実関係に表われた諸事情に照らすと、右意思表示が上告人の自由な意思に基づくものであると認めるに足る合理的な理由が客観的に存在していたものということができるから、右意思表示の効力は、これを肯定して差支えないというべきである。
 したがつて、前記各事実関係のもとにおいて、上告人のした本件退職金債権を放棄する旨の意思表示を有効と解した原審の判断は、正当である。


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2010年7月29日木曜日

不正競争防止法上の保護期間に係る裁判例の紹介

顧問弁護士(法律顧問)がよく問い合わせを受けるテーマをまとめます。

今回は、不正競争防止法上の保護期間についての裁判例を紹介します。

この裁判例は、最初に販売された日から3年を経過した後は原則として形態模倣行為は不法行為を構成しないと判断しました。以下は判決文の引用です。

不正競争防止法2条1項3号が,保護期間を3年と定めた趣旨は,次のようなものであったと解すべきである。
 すなわち,商品の創作や開発のために要する資金の額や,商品のライフサイクルは,商品の種類により千差万別であるため,先行者が投下資金を回収するために必要な期間は,一定ではない。
 しかし,投下資金を回収するために必要な期間を,個別の事案ごとに事情に応じて決定するとなると,その業種や商品の特性等について個別具体的な認定判断が必要になるため,後発者の予見可能性が害され,自由な競争を萎縮させるばかりか,先行者が簡易迅速に保護を受けることができず,先行者の保護を図った不正競争防止法の趣旨を没却することにもなりかねない。
 そこで,不正競争防止法2条1項3号は,業種や商品の特性等の要素を捨象して,一律に,最初に販売された日から起算して3年を経過しない商品に限り,その形態を模倣した商品を譲渡等する行為を不正競争行為に該当するとしたものである。
 なお,法が保護期間を3年とした根拠は,商品のモデルチェンジのサイクルがおおむね3年以内であること,国際的なハーモナイゼーションが求められていること,登録を要する実用新案権の存続期間が6年であり,登録を要しない不正競争防止法2条1項3号による保護期間がそれより長期にわたるのは相当ではないことなどを考慮したことによるものであると解される。
(4)このような不正競争防止法2条1項3号の趣旨を考慮すると,同号は,最初に販売された日から起算して3年を経過しない商品に限り,商品形態の模倣行為を不正競争行為として禁じ,その模倣行為の差止請求権等を認めるものの,3年を経過した後の模倣行為については,当該模倣行為が公正な競争秩序を破壊する著しく不公正な方法で行われ,その結果,先行者に営業上,信用上の損害を被らせた場合など,公正かつ自由な競争として許容される範囲を著しく逸脱する行為と認められる特段の事情がない限り,違法性を欠き不法行為に該当しないものと定めた趣旨であると解するのが相当である。


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2010年6月4日金曜日

顧問弁護士・法律顧問が扱うテーマ:労働時間の概念

顧問弁護士(法律顧問)が日々扱うテーマをまとめています。

今回は、労働時間の概念についてです。


労働時間の概念について、最高裁(三菱重工長崎造船所事件。労働者が始業時刻前及び終業時刻後の作業服及び保護具等の着脱等並びに始業時刻前の副資材等の受出し及び散水に要した時間が労働基準法上の労働時間に該当するかが争われた事案)で以下のとおり判断しました。

労働基準法(昭和六二年法律第九九号による改正前のもの)三二条の労働時間(以下「労働基準法上の労働時間」という。)とは、労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいい、右の労働時間に該当するか否かは、労働者の行為が使用者の指揮命令下に置かれたものと評価することができるか否かにより客観的に定まるものであって、労働契約、就業規則、労働協約等の定めのいかんにより決定されるべきものではないと解するのが相当である。そして、労働者が、就業を命じられた業務の準備行為等を事業所内において行うことを使用者から義務付けられ、又はこれを余儀なくされたときは、当該行為を所定労働時間外において行うものとされている場合であっても,当該行為は、特段の事情のない限り、使用者の指揮命令下に置かれたものと評価することができ、当該行為に要した時間は、それが社会通念上必要と認められるものである限り、労働基準法上の労働時間に該当すると解される。
被上告人らは、上告人から、実作業に当たり、作業服及び保護具等の装着を義務付けられ、また、右装着を事業所内の所定の更衣所等において行うものとされていたというのであるから、右装着及び更衣所等から準備体操場までの移動は、上告人の指揮命令下に置かれたものと評価することができる。また、被上告人らの副資材等の受出し及び散水も同様である。さらに、被上告人らは、実作業の終了後も、更衣所等において作業服及び保護具等の脱離等を終えるまでは、いまだ上告人の指揮命令下に置かれているものと評価することができる。



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2010年5月19日水曜日

労務問題(残業代請求など)の基礎:休日の付与

顧問弁護士(法律顧問)によくある質問をテーマごとにまとめています。

今回は、休日の付与についてです。

1.週休制の原則

休日の不要についての基本原則は、「使用者は、労働者に対して、毎週少くとも一回の休日を与えなければならない。」(労基法35条1項)というものです。

昭和62年の労基法改正により、1週間の法定労働時間が40時間となったため、現在は週休2日制を採用する企業が多いですが、法律上の最低基準は毎週1休日です。

ここに休日の「日」とは、「午前0時から午後12時まで」をいうので、単に継続して24時間の労働義務を負わない時間があっても休日ではありません。

2.変形週休制

四週間を通じ四日以上の休日を与える使用者については、週休1日制の適用はありません(労基法35条2項)。この制度を採用するためには、就業規則において単位となる4週間の起算日を決めておく必要があります。

3.休日振替

(1)事前の振替

使用者が一方的にできるものではなく、労働者の個別の同意が必要です。ただし、労働協約(※)や就業規則上、業務の必要により就業規則で定める休日を他の日に振り替えることができるとする規定があり、それに従って行われれば、振替は可能です。

※ 労働協約とは、労使が団体交渉によって取り決めた労働条件やその他の事項を書面に作成し、両当事者が署名又は記名押印したものをいいます(労組法第14条)。これには、①平和義務:労働協約の有効期間中に、その協約に定められた事項の変更を要求して、争議行為を行うことは許されないこと、②規範的効力:労働協約で定められた労働条件やその他労働者の待遇に関する基準に違反する労働契約や就業規則は、違反する事項は無効となり、労働協約が優先すること(労基法第92条、労組法第16条)、③債務的効力:労働協約のうち団体交渉のルールなど使用者と労働組合との関係を規律した債務的部分については、一般の契約と同様に当事者間に債権債務の関係が発生すること、という効果が認められている。

(2)事後の振替

この場合も、使用者が一方的にできるものではありません。そして、就業規則上の休日が変更されないまま労働日となったのですから、使用者は労働基準法上の休日労働の条件(臨時の必要がある場合、労使協定に依拠する場合)を満たす必要があり、しかも割増賃金の支払いを要します。

4.その他

最近、休日についても法改正がありました。その内容については、後日あらためてまとめたいと思います。


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2010年4月28日水曜日

印紙税というのは、契約書や領収書などに課税される税金で、20種類の文書が課税対象となります。


契約書の中の個々の事項に仮に一つでも課税物件表に掲げる課税事項となるものが含まれていれば、その文書は課税文書となります。また、文書の形式的な記載文言によることなく、その記載文言の実質的な意義に基づいて判断します。ですから、たとえば売掛金の請求書に「了」「済」などと表示してあり、その表示が売掛金を領収したということの当事者間の了解事項なのであれば、その文書は、売上代金の受領書に該当します。ただし、記載金額と契約期間については、その文書に記載されているもののみに基づいて判断されます。


なお、仮契約書や仮領収書であっても、課税事項を証明するものは課税文書です。

契約を更改した場合には、新たに成立する債務の内容に従って課税文書に該当するかどうかを判断します。契約の内容を変更した場合には、一定の重要事項を変更するものだけが課税されます。


1つの契約について、契約書を何通も作成する場合がありますが、この場合には、その全部に収入印紙を貼らなければいけません。 写し、副本、謄本であっても、契約の成立等を証明するものは課税文書に該当するから注意してください。つまり、ひとつの契約について同一の契約書が2通作成される場合であっても、それぞれの文書が課税文書となります。

実際には、写し、副本、謄本などと表示される場合がありますが、このような場合でも、①契約当事者の署名・押印があるもの、②製本や原本などと相違ないことの当事者の証明があるもの、③写し、副本、謄本であることの契約当事者の証明のあるものは、契約書に該当します。

なお、契約書をコピーしたもので、上記のような署名、押印又は証明がないものは、契約書にはなりません。また、契約当事者以外の者(監督官庁など)に提出することが明らかなものは、課税文書に該当しません。

申込書、注文書は、一般的には課税文書ではありませんが、約款や規約などに基づく申込みの場合は、課税文書となります。

印紙税の納税義務は課税文書を作成した時に生じ、課税文書の作成者が、その作成した課税文書について印紙税を収める義務があります。課税文書の作成とは、課税文書の単なる調製ではなく、用紙などに課税事項を記載し、これをその文書の目的に従って行使することをいいます。また、課税文書の作成者は、原則として、その文書に記載された作成名義人です。


印紙税の納付方法は、収入印紙の貼り付けによる納付が原則です。


印紙税のかかる文書の作成者が印紙税を納付しなかったときは、仮に印紙税がかかることを知らなかったり、収入印紙をはり忘れた場合であっても、納付しなかった印紙税の額の3倍(収入印紙をはっていないことを自主的に申し出たときは 1.1倍)の過怠税が課税されます。また、文書に貼った収入印紙に所定の方法で消印をしなかったときには、その消印しなかった収入印紙の金額と同額の過怠税が課税されます(過怠税は、その全額が法人税の損金や所得税の必要経費に算入されません。ご注意ください。 )。



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2010年3月24日水曜日

顧問弁護士(法律顧問)の扱うテーマ:プロバイダ責任制限法

顧問弁護士(法律顧問)として扱う機会の多いテーマをまとめています。

今日のテーマはプロバイダ責任制限法です。この法律の正式名称は、「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律」です。

法律の趣旨・対象を簡単にみていきましょう。

1. 法律の趣旨

この法律は、「特定電気通信」による情報の流通によって権利の侵害があった場合について、「特定電気通信役務提供者」の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示を請求する権利につき定めています。

①損害賠償責任の制限

特定電気通信による情報の流通により他人の権利が侵害されたときに、関係するプロバイダ等が、これによって生じた損害について、賠償の責めに任じない場合の規定を設けています。

②発信者情報の開示、の2点を規定

特定電気通信による情報の流通により自己の権利を侵害されたとする者が、関係するプロバイダ等に対し、当該プロバイダ等が保有する発信者の情報の開示を請求できる規定を設けています。

③対象

特定個人の民事上の権利侵害があった場合を対象としています。

2. 法律の対象

(1) 特定電気通信

不特定の者によって受信されることを目的とする電気通信の送信(公衆によって直接受信されることを目的とする電気通信の送信を除く。)
・インターネットでのウェブページや電子掲示板などの不特定の者により受信されるものが対象
・ただし、放送に当たるものは、放送法等での規律があるため、対象外

(2) 特定電気通信役務提供者

特定電気通信設備(特定電気通信の用に供される電気通信設備)を用いて他人の通信を媒介し、その他特定電気通信設備を他人の通信の用に供する者
・プロバイダ、サーバの管理・運営者等が対象
・典型的には電気通信事業者に当たるプロバイダが対象になるが、営利の者に限定していないため、電気通信事業者以外の者も対象となる


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